数年ぶりに台湾に上陸し、懐かしの天母棒球場へ。
青空がまぶしい。美しい山並みは陽明山。
ここは20年前、初めて台湾野球を見た球場だ。当時は照明設備も最低限で、客席もまばら、ライトの周りに謎の虫が大量発生していたのをよく覚えている。
バックスクリーンも文字情報だけで、選手の名前も読めなかったが、むせるような暑さがいかにも台湾らしく、売店で買った台湾啤酒がおいしかったなぁ。
味全ドラゴンズのホームグラウンドとなった今ではこんなに立派なスクリーンができ、飲食店も充実して、スタジアムと呼んだほうがよさげな施設になっていた。
改装時に全面人工芝に、客席も豪華なシートになった。見やすい。座りやすい。一番搾りを背負ってる売り子までいた。
チアがかわいいとか、打撃戦で盛り上がりやすいといった台湾野球の魅力は健在だったが、この日は歴史ある両チームのメモリアルゲームで、スピーカーからガンガン響く音響効果は控えめ。
昔ながらの応援歌やトランペットの音色をバックに、台湾野球を追いかけて20年のベテランライターさんと野球について話しながら観戦していたら、あっという間にゲームが終わってしまった。ホームの味全が若手の活躍で勝利。スタジアムは最後まで和やかなムードだった。
天母棒球場は台北市内の、海外駐在員が多く住むオシャレな住宅街にある。アクセスがいいので旅行時に立ち寄ることもできる貴重なスタジアムだ。
球場内は客席もトイレもキレイになったし、スタジアムグルメも増えて、清潔感のある売店ばかりなので、初めて台湾に来る人にも安心してオススメできるようになった。素晴らしいアップデートだ。
ただ、古参の常で昔ながらの味わいもまた恋しい。やっぱり小吃で台湾啤酒もいいよな…と歩いていたら、見覚えのある屋台を見つけた。
こ、これは!私がよく行っていた新荘棒球場の名物屋台ではないか。台湾プロ野球元年から球場前に屋台を出していたおじさんが、始球式に登場するのも見たことがある。メモリアルゲームだから、わざわざ天母に来てくれたらしい。
大腸包小腸という小吃をゲット。60元なり。台湾ソーセージを餅米で包んだB級グルメで、モチモチ感が癖になる。紙で包まれた無造作な佇まいもよい。
懐かしさもあったが、試合後で小腹が空いていたのか、開けた瞬間にがっついてしまったため、中身の写真がない。
帰りにタクシーに乗り、兄弟ブラザーズのチームバスと並走しつつ帰宅。久しぶりの台湾野球を満喫した一夜だった。
台湾プロ野球は2023年に新チームの台鋼ホークスが一軍参戦する予定で、全部で6チームに増える。ずーっと建設中だった市内ど真ん中の台北ドームも年内にオープン予定だそうで、また野球熱が高まりそうだ。
台湾旅行の際にはぜひ。