中文熟考

中日翻訳者が綴る日々の記録

中信兄弟のタイムマシーンに乗ってみました。

横浜ベイスターズ(現在同率2位!!!!!!!!)も先日大洋ホエールズ時代のユニホームを着てプレーしていましたが、台湾でも中信兄弟が5月28日と29日の2日間、「猛象時光機(タイムマシン)」というスペシャルデーを開催し、選手たちは球団発足当時の復刻ユニホームを着てプレーしました。


中信兄弟のオフィシャルサイトより

元横浜の鄭凱文選手や元阪神林威助選手が所属する中信兄弟は、昨オフに台湾初のFAによって台湾代表の主砲・林智勝選手が加入したこともあり、現在好調。堂々首位を走っております。2015年から本拠地を台中に移しましたが、それまでは台北のチームだったこともあり、台北っ子に絶大な人気を誇るチームです。「黄色いシャツ」という別名があるくらい黄色のチームカラーが浸透しているのですが、この白いユニホームはアマチュア時代、チームが誕生した時のものだそうです。

兄弟は1990年に台湾プロ野球ができる前からある老舗チームで、発足は1984年。


2014年のKANOブームに乗って発売されたこの本には、1984年8月に兄弟飯店を経営する洪騰勝が野球チームを作り、月給3万円で選手を募集した、とあります。当時はどの球団も月給制だったそうです。9月1日に正式にスタートしたチームは、たった9人だったというのも驚きですね。1986年には球場も建設し、ホームグランドを持つ初めての野球チームとなり、その4年後には夢のプロ野球が創立。味全龍、三商虎、統一獅と4つのチームでプロ野球リーグがスタートします。奇しくも今と同じ4チーム。統一ライオンズも開幕当時からあるチームです。


プロ野球創設3年目に初優勝。スペシャルデーの会場となった新荘棒球場には当時の新聞の特大パネルがありました。当時は總冠軍じゃなくて、金冠軍と言ったんですね。



入り口では優勝試合の復刻チケットが配布されました。当時から入場料がほとんど変わっていないこともわかります。裏のイラストは昨夏惜しまれつつ引退したかわいい象です。やっぱりかわいい。


こちらも球場に展示されていた、優勝トロフィー。2001年、2002年、2003年と3連覇を果たして人気が確実になるのですが、八百長などの影響でプロ野球の人気が低迷し、経営難から2013年のオフに兄弟グループがチームの売却を発表します。人気球団の売却は当時大きなニュースとなりました。

その後中國信託が新しいオーナーとなるのですが、「兄弟象」という長年親しまれた名前を変えることには抵抗が大きく、「兄弟」を残して「中信兄弟象」という名前になりました。今でもみんな「兄弟」と呼びます。だから「横浜DeNAベイスターズ」を「DeNA」と呼ばない私は正しいと思います。すいません脱線しました。


そんなわけでチアガールも象くんも復刻ユニホームで登場。で、始球式はなんと「香腸(ソーセージ)屋台のおじさん」であります!兄弟象が発足した当時から、球場の外でソーセージを焼いていたという偉人。この日も正門前の定位置で屋台を出していました。そうそう、台湾野球といえばホットドックではなく、甘辛な台湾ソーセージ。球場に行ったらぜひ食べてくださいね。

球場は引くほど暑かったです。サウナに3時間入ってたような感じで、正直頭ガンガンしました。周囲を見回してもやっぱりビールを飲んでいる人がいなくて、カットフルーツを食べている人を見て「健康的にもほどがある!」と思ったのですが、体のためにはビールよりフルーツだな。そう思うくらい過酷でした。


兄弟象スペシャルデーで、球場内はほとんどが兄弟ファンだったにもかかわらず、試合は7-3でLamigoの勝利。8回の表に台湾球界のレジェンド・陳金鋒選手が放った2ランが効きました。乱打戦を覚悟していましたが、中盤まで緊迫したいい試合でしたよ。

台湾プロ野球にはまだ特定の贔屓球団がない私ですが、少しずつ各球団の歴史を勉強していきたいと思います。兄弟についてはこんな本↓も出ているので、読んでまた記事アップしますね。