中文熟考

中日翻訳者が綴る日々の記録

台湾プロ野球の球場紹介 その②桃園国際棒球場

台風で全社全校お休みの台湾です。

力を持て余したダンナと息子が夜になって近所のデパートに出かけると言い出し、 「危ないよ〜、飛ばされるよ〜」という私の忠告を無視して雨の中走り出して行きました。 危機感のない父子のいぬ間にブログ更新。

更新を怠っている間に、11月に開催されるプレミア12のグループ分け、さらにグループリーグの日程も発表されましたね。 プレミア12

台湾代表の監督は郭泰源現統一セブンイレブンライオンズコーチ。日本の野球ファンにもおなじみの郭泰源氏が出てくることで、日台戦が実現したらWBC以上に盛り上がりそうですね。楽しみ楽しみ。

オフィシャルサイトの試合日程に入っている会場名で「インターコンチネンタル」とあるのは台中の洲際棒球場のこと。北京五輪予選が開催された球場です。斗六棒球場は実は私も行ったことがなく、「国際大会を斗六で!?」というのは現地の感覚でもビックリなので、開幕までには一度足を運びたいと思っています。

さて、前置きが長くなりましたが、今回は日本も入っているグループBの会場でもある桃園国際棒球場について。前回ご紹介した台北市天母棒球場とこの桃園が、グループBの主戦場となります。

桃園と聞いて台湾にいらしゃったことのある方ならピンと来たと思いますが、桃園国際空港のあるあの街です。渋滞がなければ台北から車で小一時間。 電車で行く場合は台湾高速鉄道(高鐵)で台北から15分で桃園駅に到着。そこから試合開催日はシャトルバスが出ています。タクシーでも5分くらいです。

2011年にLa Newベアーズというチームが本拠地をここにすると決めたそうなのですが、オーナーが替わってその年からチーム名が現在の「Lamigoモンキーズ」に。Lamigoは昨年のチャンピオンチームで、チアガールやファンサービスに力を入れて集客アップに大成功。人気実力ともに現在CPBLナンバーワンのチームなんです。

これだけ立派なチームのグッズショップがあるのはここだけではないでしょうか。ユニホームも迷彩を取り入れたりととにかくポップなチームカラーで、売り子さんもかわいいギャル。

メジャーリーグを意識した「ボールパーク」作りを目指していることが、球場のそこここに感じられます。

ただこの球場、プロ野球開催球場として致命的な欠陥があるのだとか…

台湾の野球関連Wikipedia「臺灣棒球維基館」の説明によると、その原因をつくったのは、当時の桃園市長らしいです。球場の名前の横に「朱立倫」とけっこう大きく書いてあるのがわかると思うのですが、これが当時の市長の名前。

一塁側の席に座って午後4時頃に撮影した写真なのですが…まぶしくないですか??なんとこれ球場の設計ミスだそうで。このように西日が差さないように、外野を東北または東南向きに作るのが球場設計の常識。しかし当時の朱立倫市長が、正面入口を大通り沿いにするために、現在の方角に設置する、と決めちゃったのだそうです。

観客席の角度を調節してあるので、バッターボックスで日差しが邪魔になることはないらしいのですが、「一塁側の観客が西日にさらされてしまうので、Lamigoはホームゲームでも3塁側に陣取る」とあります。

まぁ何とも台湾らしいというか、とほほな情報ではありますが、いいこともあって、西へ沈む夕陽がものすごくキレイに見えたりします。

しかも桃園国際空港への着陸態勢に入っている飛行機が外野の向こうを低空飛行していたりして、あまり他では観られない景色が広がっています。

最後に球場グルメです。天母に比べるとかなりスタイリッシュな売り場ではありますが、見逃すなかれ。

これでビールを販売していないっていうのはどうなんだ。 と思わずにはいられない夏なのであります。