中文熟考

中日翻訳者が綴る日々の記録

郭源治に会いたくて台湾プロ野球始球式へ

暑い…。東京も暖かいそうですが、台湾はいきなり30度近い夏の陽気になりました。毎年のことですが、暑さに追われて半袖を引っ張りだしていると、決まって「来週は気温が下がります」と言い出す気象予報士。毎年のことなんですが、コケます。調子のいいときは「下がるんかーい」とグラスを掲げます。覚えていますか髭男爵
やれやれ。気温差に身体がついていきませんよ。耳キーンなるわ!ってもういいか。

そうこうしているうちにプロ野球も開幕が迫って来ましたが、わたくし先週、台湾プロ野球のオープン戦に初めて行ってきました。これまで開幕前に球場に行ったことはなかったのですが、夜でも半袖で過ごせそうな蒸し暑さだったのと、

邀請郭源治開球
郭源治が始球式を行います!
という文字をCPBLのホームページで見てしまったからです。
先日亡くなられた大豊さんも、その大豊さんがスカウトしたチェンもそうでしたが、中日ドラゴンズとは縁の深い台湾。郭さんはミスタードラゴンズ星野仙一率いるチームでは胴上げ投手にもなった名投手ですね。「郭はもう泣いています」で検索すると、動画もヒットします。アミ族特有の深くくぼんだ目に涙が溢れてくる姿は、何度見てもグッと来ますね。
郭といえば郭泰源郭源治。この2人は台湾でも野球界の英雄であります。
個人的なプレーの印象でいえば、所沢からほど近い田舎に育った私には西武球場でキレキレの投球を見せていた泰源さんの方が強烈ですが、源治さんも中日の柱として投げていましたから、台湾の郭っていうのはどんだけすごい一族なんだ、と幼心に思っていました。あ、その時は親戚か何かだと思っていたんですが、この2人に血縁関係はありません。源治さんの方は人生そのものもドラマチックで…その話は長くなるのでまた別の機会にしましょう。
泰源氏は今年から統一セブンイレブンライオンズのコーチ(投手コーチ兼任)として台湾球界に復帰したのですが、源治氏の方は昨年CPBLの理事を辞任して以来、目立った動きがなかったので、気になっていたのです。そんな時に始球式とはいえ球場に現れるよ、と言われたら行きますよ。子供連れ回しますよ。
写真はCPBLFacebookからお借りしました。
いやー、なんか久しぶりに胸が高鳴った。
オープン戦は全席自由なので、150元(就学前の子供はタダ)でネット裏の席を確保できました。一球だけだったけど、やっぱりフォームとかかっこいいんだよな。おお!郭だ!ホンモノだ!と騒ぐ日本人親子(特に母親)はちょっと不気味かと思い、子供をダシに精一杯興奮をごまかした私でした。
試合は中信兄弟エレファンツとラミーゴモンキーズのオープン戦最終戦。兄弟は打線が爆発し、特に当たってた新外国人・耐克(元の英語名がわからん!)が3番候補に浮上したとか。子供を寝かせるため20時半には球場を後にしましたが、林威助のヒットも3本見られました。しかもすべて初級打ち。調整は順調そうです。ともかく兄弟ファンは公式戦のようにめちゃくちゃ盛り上がってました。
しかし相変わらず内野でスピーカー使った応援はうるさくて、我が子が叫んだ(正しくは母が叫ばせた)「林威助加油!」も掻き消えてしまうほどの爆音。息子なんぞは途中から試合より応援のマイクパフォーマンスをキョトンとした顔で眺めていました。これはやはり純粋にプロ野球観戦者を増やすとか、プロの格式を高めるといった効果のために改善すべき点だと私的には思うのですが、台湾プロ野球の古くからの応援方法でもあるわけで、外国人にとやかくいわれる筋合いはない、と言われそうです。
と文句をいいつつ、蒸し暑い球場で台湾小吃をつまみながら野球観戦っていうのはやっぱりいいなと改めて思ったのも確か。テレビでちょっと見た限りでも、統一は泰源コーチ効果でさらに守備が良くなっているようだし、11月にはプレミア12もあって台湾代表候補は必見だし、台湾プロ野球も毎試合見逃せなくなりそうです。
今年はなんとなくベイスターズも浮上のきっかけをつかんでいるようだし、「西武ライオンズの郭」を引き継いだ郭俊麟と陽岱剛との対戦も見逃せないし…忙しくなるなぁ。
気温差に参っている場合じゃありませんね。